株取引の方法を解説!


株のトレンドラインの見方

1本1本のローソク足を見るだけでは、株価の動きを判断するのは困難です。中期的な株価の傾向を見る方が、より的確にタイミングを判断することができます。株価の傾向を見るためには「トレンドライン」というものを使うことが一般的です。ここでは、トレンドラインの引き方や、トレンドラインによる売買の判断方法を学びます。

株価は日々上下しますが、数か月~2年程度の期間で見てみると、上昇傾向の時期や下落傾向の時期があることが分かります。このような「株価の動く傾向」を分かりやすくするための線のことを「トレンドライン」(Trend Line)と呼びます。「トレンド」は日本語では「傾向」のことです。

数か月程度で株価の動きを見てみると、波のように動いていることが分かります。その波の高値と高値を結んだ線、および安値と安値を結んだ線がトレンドラインになります。

株価の上下に2本の線を引くことになりますが、下側のトレンドラインは、株価がそのあたりまで来れば反発しやすいことを意味しており、「下値支持線」(したねしじせん)と呼びます。これに対して、上側のトレンドラインは、それ以上は株価が上がりにくいことを意味しており、「上値抵抗線」(うわねていこうせん)と呼びます。

株価の動く傾向は、大きく分けると上昇/下落/横ばいの3種類に分けられます。横ばいは、株の専門用語では「保ち合い」(もちあい)と言います。したがって、トンンドラインも上昇/下落/保ち合いの3種類になります。

なお、次の図では株価の波がはっきりとしていますが、実際にはここまではっきりこした波にはなりません。そこで、トレンドラインを引く際には、大体の見た目で判ぎして引くようにします。また、トレンドラインは株価の状況に応じて見直して、株価の動きとずれているようであれば引きなおすようにします。
p32.jpg●トレンドラインの例
実際のチャートにトレンドラインを引いてみることにしましょう。ここでは例として、三菱レイヨンの週足チャートを使います。

実際にトレンドラインを引くと、次の図のようになります。この図を見ると、おおむね半年~1年ぐらいでトレンドが変わっていることが分かります。なお、この図には上昇/下落/保ち合いのトレンドのほかに「ペナント型」という形も出ています。
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トレンドはある程度の期間は続きますが、いつまでも続くことはありません。そこで、それまでとトレンドが変わったときが、持っている株を売ったり、逆に持っていない株を買ったりするタイミングになります。

●上昇トレンドから外れたら売り
まず、上昇トレンドから株価が外れたら、その株は売っておくことをお勧めします。上昇トレンドから外れると、そのあとしばらくは下落トレンドになるか、または保ち合いトレンドになり、それ以上株価が上がらないことがよくあります。
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●下落トレンドから外れたら買い
逆に、下落トレンドから株価が外れたときは、買いのタイミングが来たと判断することができます。下落トレンドが終われば、そのあとは上昇トレンドか保ち合いトレンドになります。上昇トレンドになれば、あとは株価が上がるのを待つだけです。

ただし、下落トレンドから保ち合いトレンドになった場合は、株価はある範囲で上がったり下がったりを続けることになります。そのような状況が見えたら、損切りをして他の株に乗り換えるなどした方が良いでしょう。
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●保ち合いトレンドから外れた場合
株価がしばらく保ち合いトレンドで推移することもありますが、そのあとに株価が上側のトレンドラインを上回ってくれば、上昇トレンドに変わったことが考えられるので、買いのタイミングだと判断することができます。

逆に、下側のトレンドラインを下回ってしまった場合は、下落トレンドに変わったことが考えられるので、売りのタイミングだと判断します。
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●押し目買いとそのポイント
株価が上昇する際には、一本調子で上昇することはほとんどなく、途中で株価が下がる局面が何度か出てきます。そのような局面のことを「押し目」(おしめ)と呼びます。また、押し目で買うことを「押し目買い」と呼びます。

押し目の前の高値は「前回はそのあたりで頭打ちになったから」という理由で、株価が動く際に意識されます。そして、その高値を超えることができると、株価がさらに伸びることが期待されます。したがって、押し目の前の高値から水平に引いた線は、上値抵抗線として働くことになります。この上値抵抗線を超えたところは、買いのポイントにあたります。このような状況が見えたら、その株をさらに購入して、より大きな利益を狙うことができす。
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●戻り売りとそのポイント
株価が下落する際に、一時的に反発して株価が上がり、再度下がりだすこともよくあります。これを「戻り」と呼びます。また、戻りの時に株を売ることを「戻り売り」と呼びます。

戻りを過ぎて株価がまた下落し始め、戻りの前の安値を割り込むと「これはまだまだ売りが続きそうだ」という思惑が増えます。したがって、戻りの前の安値から水平に引いた線は、下値支持線として働きます。株価が戻ったあとで、この下値支持線を下回るようであれば、そこは売りのポイントになります。
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それでは、トレンドラインを使って売買タイミングを判断する例を紹介しましょう。ここでは、2003年1月~2004年12月の日経平均株価の週足チャートを例に、トレンドラインで売買タイミングを判断してみます。

この期間の日経平均株価のチャートにトレンドラインを引いてみると、次の図のようになります。また、トレンドから外れて買いや売りのタイミングと判断できるところには「買い」「売り」の文字を入れました。

この結果を見ると、まずまずの結果になっていることが分かります。特に、2003年5月末頃に8,500円程度で買っていれば、そのあとの2003年10月頃までに11,000円近くまで上昇していて、30%近い値上がりになっています。また、2003年8月頃と2004年2月頃には押し目買いのポイントがあります。押し目買いのあと、次の「売り」のポイントまで待っていると、タイミングが遅れていますが、売りのポイントが来る前に売っておけば、5~10%程度の儲けが出ていることが分かります。
p39.jpgなお、2004年5月以降は、株価は上がったり下がったりの保ち合いトレンドになっていて、明確な方向性がありません。このようなときには、売買しても儲けることは難しいので、売買を休んで次のチャンスが来るのを待つ方が良いでしょう。


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