株取引の方法を解説!


株の移動平均線の見方

株価チャートを分析する際には、移動平均線もよく使います。株価がどんな傾向をもって推移してきたか、また今後どんな方向に向いていくかを判断するための重要な手がかりです。「移動平均」とは、その日を含む直近の株価を平均したものです。例えば「10日移動平均」は、当日を含めて直近10日間の株価を平均した値のことです。

直近10日間の株価が次の表のように動いたとすると、今日の10日移動平均はその下の式で求めることができます。
p52.jpg同様の手順で、適当な日までさかのぼって、各日(を含む10日間)の10日移動平均を求め、それらを線で結ぶと、移動平均線が出来上がります。株価チャートを見ていると、株価に寄り添うように折れ線が描かれていることが多くありますが、たいていの場合その線は移動平均線です。 Yahoo!ファイナンスやケンミレ株式情報のチャート、日経スマートチャートでも表示されています。

先の例では日足から移動平均を求めていますが、週足や月足で移動平均を求めてもかまいません。例えば、直近の13週間の株価を平均すれば、「13週移動平均」になります。

次の図は、移動平均線の例です。 2004年4月以降の日経平均株価の週足チャートに、13週移動平均線を入れています。なお、移動平均を求める際には、終値を平均することが一般的です。ただし、高値と安値の間の値を取って平均するなど、終値以外の値を使う場合もあります。
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移動平均線には、次のような性質があります。

●移動平均線は滑らかに動く
株価は日々上下するので、株価チャートはジグザグとした動きになります。これに対して、移動平均線は株価の動きを平均したものなので、ジグザグとした動きが消えて、滑らかな動きになります。

実際に先の図を見ると分かりますが、株価は上がったり下がったりしているのに対して、滑らかに動いています。

●株価のあとを追って動く
個々の日(週/月)の移動平均は、だいたい現在の株価と過去の株価の間ぐらいの値をとります。次のグラフを見ると分かりますが、数日(週/月)前の株価(に近い値)が現在の株価のあとを追って動きます。

このため、株価が上昇傾向の時は、移動平均線は株価の下側に位置します。株価が下落傾向の時は、移動平均線は株価の上に位置します。

次の図は、2002年10月から2003年9月の日経平均株価の週足チャートに、13週移動平均線を入れた例です。 2003年5月頃から株価は上昇傾向になっていますが、移動平均線は株価の下側にあることが分かります。これに対して、それまでは株価は下落傾向でしたが、移動平均線は株価の上側にあることが分かります。
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●株価の傾向を表す
移動平均線は、株価の動きを平均化したものなので、株価の動く傾向を表します。したがって、トレンドライン的に使うことができます。

前述したように、株価が上昇傾向の時は、移動平均線は株価の下に位置します。したがって、その移動平均線は下値支持線のような働きをします。この反面、株価が下落傾向の時は移動平均線は株価の上に位置し、上値抵抗線のような働きをします。


先ほどの移動平均線の図の例では、13週移動平均を使っていました。しかし、常に13週で移動平均を求めるわけではありません。

一般に、日足チャートの場合は10日/25日/50日/75日/200日といった期間が使われます。これに対して、週足では13週と26週がよく使われます。13週や26週は中途半端な期間に思えるかもしれませんが、13週/26週はそれぞれ3か月/6か月に相当し、意味のある期間です。

平均する期間を短くすると、移動平均線の動きは株価の動きにより近くなります。しかし、平均する期間を短くしすぎると、株価と移動平均線の動きがほとんど同じになってしまい、株価の動く傾向を見るのには使えなくなってしまいます。

平均する期間を長くすると、移動平均線はより滑らかな曲線になります。しかし、平均する期間が長すぎると、株価の動きから大きく遅れてしうので、これも株価の傾向を判断しにくくなります。

このように、移動平均線を使う際には、平均する期間の長さが重要なポイントになります。日足なら50日や75日、週足なら13週ぐらいがもっとも良いようです。また、平均する期間が違う移動平均線を複数本引いて、それらを組み合わせて株価の動きを判断することもあります。平均する期間が長い移動平均線は「長期移動平均線」と呼びます。平均する期間が短い移動平均線は「短期移動平均線」と呼びます。


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