株取引の方法を解説!


株の信用取引の手順と費用

信用取引の口座を開設する方法
信用取引を行うには、別途、信用取引の口座を開設することが必要になります。ネット証券の場合、口座開設の書類もインターネットを使って取り寄せることができます。証券会社によって細かい手順は異なりますが、口座にログインしたあと、「信用取引口座開設」などのメニューをクリックすることで、口座開設の申し込みをすることができます。

p118.jpgそのあと、証券会社の審査を受けます。信用取引は、現物取引に比べると複雑な取引方法で、正しく理解していないと危険性も高くなるので、前もって審査が行われるわけです。

審査では「信用取引の基本的な仕組みを理解しているかどうか」(例えば、「空売りとはどういうものか」など)や、「場合によってはハイリスク・ハイリターンになることを理解しているかどうか」といったことが電話で問われます。

審査にパスすると、信用取引の口座を開設するための書類が届きます。必要事項を記入し、捺印をして、証券会社に返送します。これで信用取引の口座が開設されます。

なお、現物取引の口座は無料で開設することができます。しかし、信用取引の口座を開設する際には、通常は口座開設の書類に4000円の収入印紙を貼ることが必要になります。証券会社によっては、キャンペーンで無料になっている場合もあります。

委託保証金を差し入れる
信用取引ではお金や株を借りて取引をするので、証券会社に担保を差し入れることが必要になります。現金を差し入れることが多いのですが、その現金を「委託保証金」と呼びます。信用取引の口座が開設されたあと、委託保証金を差し入れることで、信用取引を始めることができます。
 
委託保証金の最低額は証券会社によって変わりますが、ネット証券では最低30万円になっているところが多くなっています。
 

現物取引の場合、「新規に買う」か、「買って持っている株を売る」という2つの取引があります。これに対して、信用取引の場合、空売りをすることができるので、「買い新規」「売り新規」「買い返済」「売り返済」の4つの取引が存在します。

p119.jpg「買い新規」は、空買いをすることを指します。空買いをしたあとは、その株を売ってお金を返済するので、「買い新規」には「売り返済」が対応します。
 
「売り新規」は空売りをすることを指します。空売りでは、株を借りてきて売るので、返済の際には株を買い戻すことが必要です。したがって、「売り新規」には「買い返済」が対応します。

注文の手順自体は、現物注文の場合とほとんど同じです。新規に信用取引を始める場合は、買い新規/売り新規のどちらを行うかを選び、取引する銘柄/株数/指値か成り行きかといったことを指定します。例えば、「トヨタ自動車を、指値を4,000円で100株新規に空売りする」というように指定することになります。
p120.jpgまた、既存の取引を終えて売り返済もしくは買い返済をする場合も、取引する銘柄などの情報を指定します。
 
なお、新規に買いまたは売りを行って、まだ決済していない残高のことを、「建玉」(たてぎょく)と呼びます。買って返済していない分は「買い建玉」、空売りをして買い戻していない分は「売り建玉」と呼びます。


現物取引の場合は、株を売買する際の費用は売買委託手数料だけです。これに対して、信用取引では売買委託手数料以外に各種の費用がかかり、複雑になります。また、売却益以外の収入が得られる場合もあります。

●金利など
空買いをする場合、お金を借りることになるので、借りたお金に対する金利がかかります(信用取引金利)。利率は証券会社によって異なりますが、2005年6月の時点では年2.1%程度のところが多くなっています。

その一方で、空売りをする場合は、株を借りることになりますが、株を借りるための費用として「信用取引貸株料」(しんようとりひきかしかぶりょう)がかかります。この利率も証券会社によって異なりますが、2005年6月の時点では年1.1%程度です。

なお、信用取引金利や信用取引貸株科は、世の中の金利水準に応じて変わります。今後世の中の金利が上がると、これらの費用も上がることになります。

●信用管理費
新規に空買いまたは空売りを始めてから1か月が経過するごとに、「信用管理費」という費用もかかります。信用管理費は、1株につき10.5銭です。ただし、下限は105円、上限は1,050円です。

●名義書換料(めいぎかきかえりょう)
空買いを行っている状態で、その銘柄の決算日を経過した場合は、「名義書換料」という費用もかかります。名義書換料は次のように計算します。

52.5円×空買いしている株数÷1単元の株数

●逆日歩(ぎゃくひぶ)
空売りに使われる株は、通常は「証券金融会社」という会社から借りる形になっています。しかし、空売りが非常に多くなると、証券金融会社の持っている株だけでは不足して、外部の大口の株主(生命保険会社など)から株を借りることが必要になります。

このように、空売りの株が不足して外部から株を借りる場合には、そのことに対する手数料が徴収されます。この手数料を「逆日歩」と呼びます。逆日歩は、空売りをしているすべての投資家から均等に徴収されます。これに対して、空買いをしている投資家は、逆日歩を受け取ることができます。

逆日歩の額は、株不足の度合いによって変化します。株不足が激しい場合は、かなり高額の逆日歩がつくこともあります。

●配当
信用取引で空買いをしていて、決算日を超えて持ち越した場合は、現物取引での配当に相当する額を受け取ることができます。これに対して、空売りをしたままで決算日を経過した場合は、配当に相当する額を支払うことが必要です。

なお、信用取引で空買いをしていて決算日を経過しても、株主優待は受け取ることができません。


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