株取引の方法を解説!


株取引のレバレッジとは

信用取引の特徴の1つとして、「委託保証金として預けている額よりも大きな取引ができる」ということをあげることができます。

証券会社によって若干差がありますが、「取引する金額に対して、30%の金額を委託保証金として入れておけば良い」ということが基本になります。例えば、100万円の取引をするには、その30%である30万円を委託保証金として入れておけば良いことになります。委託保証金の3倍強の取引をすることができる計算です。

お金を借りたりして、自分の持っている資金よりも大きな取引をすることを、「レバレッジをかける」と呼びます。「レバレッジ」とは日本語では「稚子」(てこ)のことです。稚子は小さな力で大きな物を動かす時に使いますが、それと同様に小さな資金で大きな取引をすることができるので、「レバレッジ」と呼ぶわけです。

 
レバレッジをかけると、うまくいくと大きく儲けることができます。その一方で、失敗すると大きく損失をこうむってしまいます。したがって、レバレッジをかけるとハイリスク・ハイリターンになります。

p125.jpg例えば、100万円分の株を買って、それが10%値上がりして110万円になったとしましょう。現物取引であれば、100万円の元手で10万円の儲けを得ることになるので、利益率は株の値上がり率と同じ10%です。

これに対して、信用取引を使い、レバレッジを目いっぱい効かせるとしましょう。前述したように、300万円の株を買うには委託保証金を100万円入れればOKです。そのあとに、10%値上がりして330万円になったところで売ると、30万円の儲けになります。 100万円の元手で30万円を儲けたことになるので、利益率は30%です。

p126.jpg逆に、株価が10%値下がりしてしまったとします。この場合は、現物取引なら100万円が90万円に減って10%の損失になります。これに対して、信用取引だと300万円の10%減は30万円の損失になるので、100万円の元手が70万円に減り、30%もの損失になってしまいます。


レバレッジをかけると、うまくいけば大きく儲かりますが、失敗すると大きく損をします。では、レバレッジをかけない場合とかけた場合とでは、どちらが儲かるのでしょうか?

一見、「うまくいくと大きく儲かるなら、レバレッジをかけた方が儲けられそうだ」と感じられるかもしれません。しかし、必ずしもそうとは限りません。

●儲けが大きくて損が小さければレバレッジの威力は絶大

仮に、現物取引で+10%の儲けと-5%の損を交互に繰り返している人がいるとします。そして、その人が信用取引をするものとします。

この状況で、100万円の元手でスタートして、レバレッジをかけないときと、2倍のレバレッジをかけた場合(委託証拠金の2倍の取引をする場合)、そして3倍のレバレッジをかけた場合(委託証拠金の3倍の取引をする場合)を比較してみましょう。

すでに学習したように、レバレッジの倍率に応じて損益も拡大します。例えば、レバレッジを2倍にすると、+20%(=+10%×2)の儲けと-10%(=-5%×2)の損を繰り返すことになります。このことを踏まえて資産の動きを計算してみると、次の表のようになります。

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また、長期的に同じパターンを繰り返すものとして計算結果を図にすると、次の図のようになります。

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この場合は、レバレッジをかけた方が資産が大きく伸びることが分かります。この例のように、儲けが大きくて損が小さければ、レバレッジをかけることで大きく資産を増やすことができます。


損よりも利益が大きければレバレッジの効果は絶大です。ところが、儲け方が変わると、結果も変わってきます。

例えば、現物取引で+10%の儲けと-8%の損を交互に繰り返している人がいるとします。かろうじて損より儲けの方が多いというレベルです。このような人が100万円の元手で信用取引を行ってレバレッジをかけたとすると、資産の額を計算したときの結果は次の表のようになります。

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また、長期的に同じパターンを繰り返すとすると、資産の額の推移は次の図のようになります。

p130.jpg今度は、最終的にはレバレッジをかけていない場合がもっとも儲かっていることが分かります。また、レバレッジを3倍にすると、儲かるどころか徐々に資産が減っていることも分かります。この例のように、儲けたり損したりで、とんとんよりやや良い程度の状況を続けている場合、レバレッジをかけると資産をすり減らすことになってしまいます。

●レバレッジは極力避ける

一般に「レバレッジをかけると、(成功したときの儲けが大きくなるので)、資金の効率が良い」と言われがちです。しかし、ここまでの話で分かるように、必ずしも資金効率が良くなるわけではありません。

前に学んだように、「大きく儲けて小さく損する」ことができれば、レバレッジは絶大な威力を発揮します。しかし、それはなかなか難しいものです。実際にはその逆に「小さく儲けて大きく損する」ということがありがちで、レバレッジをかけると資産をすり滅らすことになりやすいものです。

基本的に、信用取引は空売りのためだけに利用して、レバレッジを使うことは極力避けるべきです。


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