株グランビルの売りの法則
グランビルの法則では、買いのタイミングだけでなく、売りのタイミングを判断することもできます。買いの法則は4つありましたが、売り法則も買い法則と同様に4つあり、買い法則とちょうど逆の形になります。
●売り法則1
まず、売り法則1は「上昇から下落に向きが変わりつつある(あるいは向きが変わっている)移動平均線を、株価が上から下に抜いたら売り」というものです。
株価が上昇している間は、移動平均線は株価の下にあって上昇しています。そして、株価が下落し始めると、そのあとを追って移動平均線も下がり始めるので、向きが徐々に変わります。さらに、株価が下げ続ければ、やがては株価が移動平均線を上から下に抜く動きになり、売り法則1の形になります。
売り法則1は、株価が天井を打ったことを確認して売るための法則になります。この法則が出たあとは株価がしばらく下落することが多いので、買い法則が出るまではその株は買うべきではありません。
ただし、上昇中に一時的に大きく下落したときにもこの法則の形になります。その場合、株価が反発して上昇トレンドに戻ることもあり、買い法則の形が出ることもあるので、それをチェックするようにします。
●売り法則2
売り法則2は「下落中の移動平均線に向かって株価が上昇し、移動平均線をいったん越えたあとで再度下落に戻ったら売り」というものです。
株価が下落する過程で戻りが入ることがありますが、そのときには株価が一時的に上昇して移動平均線を上回ることもあります。しかし、戻りに終わって株価が再度下落すれば、移動平均線を再度下回る動きになります。
つまり、この法則は株価が一時的に戻ったときに売るための法則です。売り法則1が出た時点で売り損ねていた場合は、この法則で確実に売っておくことをお勧めします。
●売り法則3
売り法則3は「下落中の移動平均線に向かって株価が上昇し、移動平均線の手前で再度下落に戻ったら売り」というものです。
売り法則2に似ていますが、株価が移動平均線を上回らない点が異なります。この法則も、株価が戻ったときに売るための法則です。また、売り法則2と比べると、株価が移動平均線を上回らずに再度下落しているので、より売りの圧力が強いと考えられます。この法則が出たときに、その銘柄をまだ持っているなら、確実に売っておくことが必要です。
●売り法則4
最後の売り法則4は「移動平均線が上昇中の時に、株価が大幅に上がって移動平均線から大きく離れたら(乖離したら)売り」というものです。
何らかの原因で株価上昇に弾みがついて、移動平均線から大きく離れることがあります。しかし、株価が大きく上がると、「今のうちに売っておこう」という人も多くなるので、いずれはその値上がりが止まり、一気に株価が下がることも少なくありません。この法則は、そのような株価急騰時に、利益を確保するために使います。
●売り法則1
まず、売り法則1は「上昇から下落に向きが変わりつつある(あるいは向きが変わっている)移動平均線を、株価が上から下に抜いたら売り」というものです。
株価が上昇している間は、移動平均線は株価の下にあって上昇しています。そして、株価が下落し始めると、そのあとを追って移動平均線も下がり始めるので、向きが徐々に変わります。さらに、株価が下げ続ければ、やがては株価が移動平均線を上から下に抜く動きになり、売り法則1の形になります。
売り法則1は、株価が天井を打ったことを確認して売るための法則になります。この法則が出たあとは株価がしばらく下落することが多いので、買い法則が出るまではその株は買うべきではありません。
ただし、上昇中に一時的に大きく下落したときにもこの法則の形になります。その場合、株価が反発して上昇トレンドに戻ることもあり、買い法則の形が出ることもあるので、それをチェックするようにします。
●売り法則2
売り法則2は「下落中の移動平均線に向かって株価が上昇し、移動平均線をいったん越えたあとで再度下落に戻ったら売り」というものです。
株価が下落する過程で戻りが入ることがありますが、そのときには株価が一時的に上昇して移動平均線を上回ることもあります。しかし、戻りに終わって株価が再度下落すれば、移動平均線を再度下回る動きになります。
つまり、この法則は株価が一時的に戻ったときに売るための法則です。売り法則1が出た時点で売り損ねていた場合は、この法則で確実に売っておくことをお勧めします。
●売り法則3
売り法則3は「下落中の移動平均線に向かって株価が上昇し、移動平均線の手前で再度下落に戻ったら売り」というものです。
売り法則2に似ていますが、株価が移動平均線を上回らない点が異なります。この法則も、株価が戻ったときに売るための法則です。また、売り法則2と比べると、株価が移動平均線を上回らずに再度下落しているので、より売りの圧力が強いと考えられます。この法則が出たときに、その銘柄をまだ持っているなら、確実に売っておくことが必要です。
●売り法則4
最後の売り法則4は「移動平均線が上昇中の時に、株価が大幅に上がって移動平均線から大きく離れたら(乖離したら)売り」というものです。
何らかの原因で株価上昇に弾みがついて、移動平均線から大きく離れることがあります。しかし、株価が大きく上がると、「今のうちに売っておこう」という人も多くなるので、いずれはその値上がりが止まり、一気に株価が下がることも少なくありません。この法則は、そのような株価急騰時に、利益を確保するために使います。
それでは、グランビルの法則を使って、売りタイミングを判断してみましょう。例として、イトーヨーカ堂の週足チャートに13週移動平均線を入れたものを使います。
●売り法則1が出ている所
まず、売り法則1が出ている所を見てみます。2002年5月に株価が天井を打ったあと、下落傾向になっていますが、2002年7月に株価が移動平均線を割り込み、また移動平均線の向きも下向きに変わっていて、売り法則1の形になっています(図中の「売り法則1」の所)。
株価はそのあと大きく下げて、2003年4月にはピーク時の3分の1近くまで下がっています。下がりだしたときに確実に売っておかないと、このような大幅な下落に見舞われることもあります。
●売り法則2が出ている所
2002年12月頃には、株価がいったん移動平均線を上回ったものの、すぐに株価が下落して移動平均線を割り込んでいて、売り法則2の形になっています(図中の「売り法則2」の所)。
2002年5月のピークから半年強経過していて、株価も約半分になっているので、そのあとの株価の下落はそれほど大きくはありませんが、まだ下落が続いていることに変わりはありません。
●売り法則3が出ている所
2002年8月と9月には、短期的に株価が少し戻ったあと、移動平均線に届く前に株価が再度下落して、売り法則3の形になっています(図中の「売り法則3」の所)。
売り法則1の段階で売り損ねていた場合、少なくとも2002年8月の売り法則3のところで売っておくべきだったと言えます。
●売り法則4が出ている所
2002年5月の株価のピーク時には、株価が移動平均線から大きく離れて、売り法則4の形になっています。しかも、ローソク足の形が上影陰線になっていて、この面から見ても売りと考えられます。
もっとも、その当時にイトーヨーカ堂の株を持っていたとしたら、おそらく「まだ上がる」と思って、売らずに持ち続けていたのではないでしょうか。また、この時点が天井になるかどうかは、あとになってみないと分からないものです。
しかし、2002年7月には売り法則の形が出ているので、その時点であれば、「2002年5月が天井であったのではないか?」と判断がつきやすくなります。このように、複数の売り法則を組み合わせて、売るタイミングを判断すると良いでしょう。
●判断が難しい所(売り法則2?買い法則1?)
2003年2月には、株価が移動平均線をいったん上に抜いて、その翌週にまた下に抜くという動きになっていて、売り法則2の形です。しかし、移動平均線の向きが上向きに変わりつつあり、その移動平均線を株価が下から上に抜いているので、買い法則1の形とも見ることができます。
あとになってみれば、これは売り法則2の形であったことが分かります。しかし、2003年2月の時点でチャートを見ていたとすれば、買いか売りか判断がつかなかったことでしょう。
このような場合は、とりあえず買いを入れておいて、様子を見るのも1つの戦法です。そのあとに株価が上昇すれば持ち続けます。これに対して、株価が下がりだすようなら、損切りをして次のチャンスに備えるようにします。
●売り法則1が出ている所
まず、売り法則1が出ている所を見てみます。2002年5月に株価が天井を打ったあと、下落傾向になっていますが、2002年7月に株価が移動平均線を割り込み、また移動平均線の向きも下向きに変わっていて、売り法則1の形になっています(図中の「売り法則1」の所)。
株価はそのあと大きく下げて、2003年4月にはピーク時の3分の1近くまで下がっています。下がりだしたときに確実に売っておかないと、このような大幅な下落に見舞われることもあります。
●売り法則2が出ている所
2002年12月頃には、株価がいったん移動平均線を上回ったものの、すぐに株価が下落して移動平均線を割り込んでいて、売り法則2の形になっています(図中の「売り法則2」の所)。
2002年5月のピークから半年強経過していて、株価も約半分になっているので、そのあとの株価の下落はそれほど大きくはありませんが、まだ下落が続いていることに変わりはありません。
●売り法則3が出ている所
2002年8月と9月には、短期的に株価が少し戻ったあと、移動平均線に届く前に株価が再度下落して、売り法則3の形になっています(図中の「売り法則3」の所)。
売り法則1の段階で売り損ねていた場合、少なくとも2002年8月の売り法則3のところで売っておくべきだったと言えます。
●売り法則4が出ている所
2002年5月の株価のピーク時には、株価が移動平均線から大きく離れて、売り法則4の形になっています。しかも、ローソク足の形が上影陰線になっていて、この面から見ても売りと考えられます。
もっとも、その当時にイトーヨーカ堂の株を持っていたとしたら、おそらく「まだ上がる」と思って、売らずに持ち続けていたのではないでしょうか。また、この時点が天井になるかどうかは、あとになってみないと分からないものです。
しかし、2002年7月には売り法則の形が出ているので、その時点であれば、「2002年5月が天井であったのではないか?」と判断がつきやすくなります。このように、複数の売り法則を組み合わせて、売るタイミングを判断すると良いでしょう。
●判断が難しい所(売り法則2?買い法則1?)
2003年2月には、株価が移動平均線をいったん上に抜いて、その翌週にまた下に抜くという動きになっていて、売り法則2の形です。しかし、移動平均線の向きが上向きに変わりつつあり、その移動平均線を株価が下から上に抜いているので、買い法則1の形とも見ることができます。
あとになってみれば、これは売り法則2の形であったことが分かります。しかし、2003年2月の時点でチャートを見ていたとすれば、買いか売りか判断がつかなかったことでしょう。
このような場合は、とりあえず買いを入れておいて、様子を見るのも1つの戦法です。そのあとに株価が上昇すれば持ち続けます。これに対して、株価が下がりだすようなら、損切りをして次のチャンスに備えるようにします。