株取引の方法を解説!


株価チャートのゴールデンクロスとデッドクロスの見方

移動平均線を使って売買タイミングを判断する方法として「ゴールデンクロス」「デッドクロス」もよく使われています。ただし、難点もあるのでそれを理解した上で使用することが必要です。ここでは、ゴールデンクロス/デッドクロスの概要と、その注意点について学習します。

移動平均線をチャートに入れる場合、平均期間が長い移動平均線と短い移動平均線の2本を入れることもよくあります。例えば、週足チャートの場合は、13週と26週の移動平均線を入れるのが一般的です。

このような長期/短期の2本の移動平均線を使って売買タイミングを判断するのが、ゴールデンクロス/デッドクロスです。

p66.jpg株価が下落から上昇に変わると、そのしばらくあとに短期移動平均線が上向きに変わり、さらにそのあとに長期移動平均線も上向きに変わります。

また、株価が下落傾向のときは、短期移動平均線は株価の上に位置し、さらにその上に長期移動平均線が位置します。そのため、株価の向きが変わってしばらくすると、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜く動きになります。これをゴールデンクロス(GoldenCross)と呼びます。

これに対して、株価が上昇から下落に変わると、上記とは逆の動きになり、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜く動きになります。これをデッドクロスDead Cross)と呼びます。

ゴールデンクロスは、株価上昇がはっきりしてきたことを意味すると言われ、買いタイミングだと判断します。これに対して、デッドクロスは売りタイミングだと判断します。


ゴールデンクロス/デッドクロスでの売買には難点があります。それはタイミングが出るのが遅いことです。ゴールデンクロス/デッドクロスは長短の移動平均線のクロスですが、移動平均線は株価より遅れて動く傾向があるので、ゴールデンクロス/デッドクロスはどうしてもタイミングが遅れます。

そのため、ゴールデンクロスになってから株を買い、デッドクロスで売っていたのでは、あまり儲けることはできません。特に、株価上昇が短期間で終わってしまうと、ゴールデンクロスをした頃には、株価がすでにピークを過ぎて下がり始めている、というようなこともあります。

●実際の例
次の図は、新日本製鉄の週足チャートに13週/26週の移動平均線を入れたものです。このチャートを見ると、ゴールデンクロス/デッドクロスが2か所ずつあります。これらのうち、ゴールデンクロス②のあとは株価が大きく上昇していて、買いポイントとして良い結果になっています。ただし、2002年11月の底値からはすでに約3割上昇したあとであり、タイミングが遅れていると言えます。

デッドクロス①は、そのあとは株価が大きく下落しているので、売りポイントとしてまずまずの位置です。ここはタイミングとしてはそこそこ良いでしょう。

しかし、ゴールデンクロス①は、株価が頭打ちになって下がり出した位置で出ています。また、デッドクロス②は、株価が底打ちして上がりかけている位置で出ています。これらのゴールデンクロス/デッドクロスで取引することは完全に失敗です。
p67.jpg●売買を追認するためにゴールデンクロス/デッドクロスを使う
このように、ゴールデンクロス/デッドクロスは、それが出てから売買していてはタイミングが遅れてしまいます。これらを見てから売買するのではなく、それより前の段階でグランビルの法則などを使って売買し、ゴールデンクロス/デッドクロスはその売買を追認するのに使う、というのが良い方法でしょう。


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