株取引の方法を解説!


株の空売りタイミングの判断

信用取引では、空買いと空売りの2種類の取引を行うことができます。
空買いのタイミングの取り方は、現物取引と同じです。チャートを使って買いタイミングの判断する方法を学んできましたが、空買いの際にもそれらの株価が安いときに買い、上がったら売るという方法を使うことができます。

その一方で、空売りでは株価が高いときに売って安くなったら買い戻すので、買いとは逆のタイミングの取り方をすることになります。

買いの場合と同様に、空売りもトレンドに沿って行うことが基本です。つまり、空売りは株価が下落トレンドになっているときに行うべきです。そこで、まずは下落トレンドであることを確認することから始めます。

株価が上昇トレンドか下落トレンドかは、株価チャートを見ればおおむね分かることです。さらに、株価チャートにトレンドラインを引いて、上値抵抗線と下値指示線がどのあたりに位置するかも、確認しておくようにします。

次の図は、トヨタ自動車の2003年以降の週足チャートにトレンドラインを引いてみたものです。 2003年春頃から上昇トレンドになっていましたが、2004年夏頃から下落トレンドに入っていることが分かります。
p121.jpgこのチャートを見る限りでは、トヨタ自動車は買いよりも空売りに適していそうです。
 

現物株の売りタイミングの判断方法は学習しましたが、そのタイミングは空売りを始める際の判断に使うこともできます。ただし、「買って持っていた株を売るタイミング」と、「空売りを始めるタイミング」は、必ずしも同じではありません。

買って持っていた株を売るタイミングは、大きく分けると「株価がピークを過ぎて下がりだしたとき」「株価が一時的に戻ったあとに再度下がりだしたとき」「株価が上がりすぎていて下がりそうなので、その前」のようなものがあります。

最初の2つのタイミングは、空売りを始めるタイミングにもなり得ます。これに対して、最後の1つのタイミングは、空売りを始めるには危険なタイミングです。

「株価が上がりすぎている」と感じる時は、株価は上昇トレンドになっています。つまり、一時的に株価が下がったとしても、また上がり出して、空売りしたときの株価を上回る可能性が十分にあります。そのようなときに空売りを行うと、トレンドに逆らうことになるので、失敗する確率が高くなり、危険なのです。
p122.jpgまた、株価が急騰したことによって買いが買いを呼び、その株が仕手化することもあります。そうなると株価がどのような動きをするか、予測するのが困難になります。これも危険な状態です。


株価チャートや各種のテクニカル指標を組み合わせることで、空売りのタイミングを判断することができます。

まず、株価チャートで株価の動きを見て、空売りのタイミングを判断する方法が考えられます。例えば、株価が下落トレンドの時に、直近の安値を下回って株価が下落する場合は、空売りのタイミングとなります。このほか、ダブルトップ型やヘッドアンドショルダー型でネックラインを割ったところや、保ち合いのパターンで下側のトレンドラインを割ったところなどが、空売りのタイミングとして適しています。

次の図は、マブチモーターの2004年以降の週足チャートです。2004年2月頃から10月頃にかけて、フラッグ型の保ち合いが続いていますが、2004年11月にその下側のトレンドラインを切って株価が下落しています。ここが1つ目の空売りのポイントです(図中の「空売りポイント①」)。

p123.jpgまた、2005年2月には直近の安値を下回って株価が下落しています。ここも空売りのポイントになります(図中の「空売りポイント②」)。

ただし、空売りポイント①では、そのあとに株価が若干リバウンドしていて、空売りに成功しているとは言いがたい状態です。このように、空売りの形になったからと言って、必ずしも成功するとは限りません。失敗した場合は、損切りを行うことが必要です。
 

移動平均線を使って売買のタイミングを判断する方法として、「グランビルの法則」があります。これも空売りのタイミングを判断する際に使うことができます。

グランビルの法則には4種類の売り法則がありましたが、空売りのタイミングを判断するには、法則1~3の3種類を使います。ただし、法則4(株価が移動平均線から大きく上に乖離したら売り)は、株価が上昇トレンドの時に売る法則なので、空売りのタイミングの判断に使うと危険です。

●グランビルの法則で空売りのタイミングを判断する例
次の図は、NECの2004年以降の週足チャートに、13週移動平均線を入れたものです。まず、2004年5月末(図中の「空売りポイント①」)を見てみましょう。ここでは、株価が移動平均線を割り込み、いったん反発したものの、移動平均線の手前で再度下落しています。これは、グランビルの売り法則3にあたるので、空売りのポイントになります。
p124.jpgまた、2004年9月中旬(図中の「空売りポイント②」)では、株価が移動平均線をいったん上回ったあと、再度下落しています。これは売り法則2にあたり、ここも空売りのポイントです。


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