株グランビルの買いの法則
移動平均線は株価の動く傾向を表すので、その性質を利用して、売買タイミングを判断するためにも使います。ここでは、移動平均線を使って株を買うタイミングを判断するために「グランビルの法則」というものを学習します。
移動平均線を使った法則として「グランビルの法則」は非常に有名です。グランビルの法則は、アメリカの投資ジャーナリストのジョセフ=グランビル氏が考案した法則で、移動平均線と株価の位置関係で売買のタイミングを判断します。買い法則/売り法則ともに4つの種類があります。ここでは、買いの4つの法則を学びます。
●買い法則1
グランビルの法則の1番目は「下落から上昇へ向きの変わりつつある(あるいは向きが変わっている)移動平均線を、株価が下から上に抜いたら買い」というものです。
株価が下落トレンドの時は、移動平均線は株価の上に位置していて、右肩下がりになっています。株価の動きが上昇トレンドに変わると、移動平均線の向きは株価に遅れて徐々に右肩上がりに変わっていきます。また、下落トレンドの間は、株価は移動平均線の下にありましたので、上昇トレンドになると株価は移動平均線を下から上に抜く動きになり、次の図のようになります。
この法則は、株価が底を打って上がり始めるときに表れます。したがって、底値付近で買うタイミングを判断するのに使うことができます。ただし、底を打って株価が上がりだしたように見えても、それが単なる戻りで、上昇が一時的に終わってしまうこともあります。そのような場合は、適切に損切りをし
て、損失が拡大しないようにする必要があります。
●買い法則2
グランビルの法則の2番目は「上昇中の移動平均線に向かって株価が下落し、移動平均線をいったん割り込んだあとで、再度上昇して移動平均線を上回ったら買い」というものです。
株価が上昇トレンドの時には、移動平均線は株価の下にあって、上昇傾向になります。ただし、上昇トレンドの時に一時的に株価が下がって押し目をつけることがあります。そうなると、上昇中の移動平均線に向かって株価が下落してきて、移動平均線を割り込んで再度上昇する、という動きになることがあります。
このように、グランビルの法則2は、押し目のあとの買いタイミングを判断するのに使います。株価が上昇する過程では、押し目が数回入ることが多いので、そのタイミングを逃さず買うために、この法則を活用します。ただし、押し目だと思って買ったものの、株価が思うように上がらず、下がり始めることもあります。そのときは、損切りをして損失を拡大させないようにすることが必要です。
●買い法則3
グランビルの法則の3番目は「上昇中の移動平均線に向かって株価が下落し、移動平均線の手前で反発したら買い」というものです。2番目の法則と似ていますが、移動平均線を割り込まない点が異なります。
株価が勢い良く上昇している場合、押し目になっても株価がさほど下がらないことがあります。そうなると、移動平均線の手前で株価の下落が終わって反発する、という動きになります。法則2に比べて株価の勢いが良い状態なので、より大きく株価が上昇することが期待できます。この法則が出た銘柄は、買った方が良いと考えられます。
●買い法則4
最後の法則4は「下落トレンドのときに、株価が移動平均線から大幅に下に離れたら買い」というものです。これまでの3つの法則は、上昇トレンド時に買うタイミングを判断するものでした。これに対して、この法則4は、下落トレンドの中で買うタイミングを判断するものになっています。
株価が下落する際に、何らかの原因で下落に勢いがついて、移動平均線から大きく下に離れることがあります。このような状態を「乖離」(かいり)と呼びます。しかし、大幅な下落がいつまでも続くことは少なく、やがては株価が反発して、移動平均線に向かって戻ってくることも多く見られます。そのタイミングを狙って買うために、この法則を利用します。
もっとも、株価が大きく下がったときには、怖くてその株を買うことは難しいでしょう。実際、株価が大きく下がったあと、あまり戻らずに、再度下落が続くこともあります。
また、「どのぐらい株価が下がったら『大きく下がった』と判断できるのか」という点も明らかではありません。このようなことから、この法則を利用して買うのは、かなり難しいと言えます。この法則を単独で使わずに、他の乖離率やRSIなどのテクニカル指標を組み合わせて、タイミングを判断することが必要です。
移動平均線を使った法則として「グランビルの法則」は非常に有名です。グランビルの法則は、アメリカの投資ジャーナリストのジョセフ=グランビル氏が考案した法則で、移動平均線と株価の位置関係で売買のタイミングを判断します。買い法則/売り法則ともに4つの種類があります。ここでは、買いの4つの法則を学びます。
●買い法則1
グランビルの法則の1番目は「下落から上昇へ向きの変わりつつある(あるいは向きが変わっている)移動平均線を、株価が下から上に抜いたら買い」というものです。
株価が下落トレンドの時は、移動平均線は株価の上に位置していて、右肩下がりになっています。株価の動きが上昇トレンドに変わると、移動平均線の向きは株価に遅れて徐々に右肩上がりに変わっていきます。また、下落トレンドの間は、株価は移動平均線の下にありましたので、上昇トレンドになると株価は移動平均線を下から上に抜く動きになり、次の図のようになります。
この法則は、株価が底を打って上がり始めるときに表れます。したがって、底値付近で買うタイミングを判断するのに使うことができます。ただし、底を打って株価が上がりだしたように見えても、それが単なる戻りで、上昇が一時的に終わってしまうこともあります。そのような場合は、適切に損切りをし
て、損失が拡大しないようにする必要があります。
●買い法則2
グランビルの法則の2番目は「上昇中の移動平均線に向かって株価が下落し、移動平均線をいったん割り込んだあとで、再度上昇して移動平均線を上回ったら買い」というものです。
株価が上昇トレンドの時には、移動平均線は株価の下にあって、上昇傾向になります。ただし、上昇トレンドの時に一時的に株価が下がって押し目をつけることがあります。そうなると、上昇中の移動平均線に向かって株価が下落してきて、移動平均線を割り込んで再度上昇する、という動きになることがあります。
このように、グランビルの法則2は、押し目のあとの買いタイミングを判断するのに使います。株価が上昇する過程では、押し目が数回入ることが多いので、そのタイミングを逃さず買うために、この法則を活用します。ただし、押し目だと思って買ったものの、株価が思うように上がらず、下がり始めることもあります。そのときは、損切りをして損失を拡大させないようにすることが必要です。
●買い法則3
グランビルの法則の3番目は「上昇中の移動平均線に向かって株価が下落し、移動平均線の手前で反発したら買い」というものです。2番目の法則と似ていますが、移動平均線を割り込まない点が異なります。
株価が勢い良く上昇している場合、押し目になっても株価がさほど下がらないことがあります。そうなると、移動平均線の手前で株価の下落が終わって反発する、という動きになります。法則2に比べて株価の勢いが良い状態なので、より大きく株価が上昇することが期待できます。この法則が出た銘柄は、買った方が良いと考えられます。
●買い法則4
最後の法則4は「下落トレンドのときに、株価が移動平均線から大幅に下に離れたら買い」というものです。これまでの3つの法則は、上昇トレンド時に買うタイミングを判断するものでした。これに対して、この法則4は、下落トレンドの中で買うタイミングを判断するものになっています。
株価が下落する際に、何らかの原因で下落に勢いがついて、移動平均線から大きく下に離れることがあります。このような状態を「乖離」(かいり)と呼びます。しかし、大幅な下落がいつまでも続くことは少なく、やがては株価が反発して、移動平均線に向かって戻ってくることも多く見られます。そのタイミングを狙って買うために、この法則を利用します。
もっとも、株価が大きく下がったときには、怖くてその株を買うことは難しいでしょう。実際、株価が大きく下がったあと、あまり戻らずに、再度下落が続くこともあります。
また、「どのぐらい株価が下がったら『大きく下がった』と判断できるのか」という点も明らかではありません。このようなことから、この法則を利用して買うのは、かなり難しいと言えます。この法則を単独で使わずに、他の乖離率やRSIなどのテクニカル指標を組み合わせて、タイミングを判断することが必要です。
それでは、グランビルの法則を使って、実際に買いのタイミングを判断してみましょう。ここでは例として、日本水産の週足チャートに、13週移動平均線を入れたものを使います。
●法則1が出ている所
まず、2003年末頃を見てみましょう。ここでは、移動平均線の向きが下落から横ばいに変わりつつあり、また株価が移動平均線を下から上に抜いています。したがって、法則1の形になっていて、買いのタイミングです(図中の「法則1」の所)。実際、株価はそこから徐々に上昇傾向に変わっていっています。
●法則3が出ている所
2004年7月末頃には、株価が移動平均線に向かって一時下落したあと、移動平均線を割り込まずに、再度大きく上昇しています。これは法則3の形で、買いのタイミングです(図中の「法則3」の所)。株価はそのあと順調に上昇しています。
●法則4が出ている所
2003年11月頃を見ると、移動平均線が下向きで、株価は移動平均線を大きく下回っています。これは法則4の形になっています(図中の「法則4」の所)。しかも、このローソク足は下ヒゲの長い下影陰線になっていて、この面からも買いと言えます。このように、買い法則4で売買タイミングを判断する場合は、その法則だけでなく、ローソク足の形や、他のテクニカル指標等を組み合わせて、買いかどうかを判断するようにします。
●法則2がダマシになった所
2004年3月頃には、株価がいったん移動平均線を若干割り込んで、再度上昇しています。したがって、ここは法則2の形になります(図中の「法則2」の所)。ただし、このときは株価があまり上がらず、2004年5月ごろには一時的に大きく値下がりしています。
このように、買い法則が出たからといって、必ずしも株価が上がるとは限らず、ダマシ(チャートから想定された値動きと実際の値動きが異なること)になることもあります。ダマシにあったときには、損切りをして損失が拡大しないようにする必要があります。
●法則1が出ている所
まず、2003年末頃を見てみましょう。ここでは、移動平均線の向きが下落から横ばいに変わりつつあり、また株価が移動平均線を下から上に抜いています。したがって、法則1の形になっていて、買いのタイミングです(図中の「法則1」の所)。実際、株価はそこから徐々に上昇傾向に変わっていっています。
●法則3が出ている所
2004年7月末頃には、株価が移動平均線に向かって一時下落したあと、移動平均線を割り込まずに、再度大きく上昇しています。これは法則3の形で、買いのタイミングです(図中の「法則3」の所)。株価はそのあと順調に上昇しています。
●法則4が出ている所
2003年11月頃を見ると、移動平均線が下向きで、株価は移動平均線を大きく下回っています。これは法則4の形になっています(図中の「法則4」の所)。しかも、このローソク足は下ヒゲの長い下影陰線になっていて、この面からも買いと言えます。このように、買い法則4で売買タイミングを判断する場合は、その法則だけでなく、ローソク足の形や、他のテクニカル指標等を組み合わせて、買いかどうかを判断するようにします。
●法則2がダマシになった所
2004年3月頃には、株価がいったん移動平均線を若干割り込んで、再度上昇しています。したがって、ここは法則2の形になります(図中の「法則2」の所)。ただし、このときは株価があまり上がらず、2004年5月ごろには一時的に大きく値下がりしています。
このように、買い法則が出たからといって、必ずしも株価が上がるとは限らず、ダマシ(チャートから想定された値動きと実際の値動きが異なること)になることもあります。ダマシにあったときには、損切りをして損失が拡大しないようにする必要があります。