株取引の方法を解説!


株式市場全体を表す騰落レシオ

市場全体の動きを見る指標として「騰落(とうらく)レシオ」というものがあります。ここでは、騰落レシオの意味や見方について学習します。

●騰落レシオとは何か?
騰落レシオは、株式市場全体の動きを判断するための指標で、次のようにして求めます。計算の期間は一般的には25日にします。また、計算する対象の市場は、通常は東証一部を使います。

p96.jpg例えば、25日間の値上がり銘柄数が20000、値下がり銘柄数が16000だったとすると、騰落レシオは次のように計算して、125%になります。

p97.jpg●騰落レシオの見方
市場全体が上昇トレンドの時は、値下がり銘柄数より値上がり銘柄数の方が多くなります。そのため、騰落レシオの式の分子が分母より大きくなり、騰落レシオの値は100%を上回ります。逆に、市場全体が下落トレンドになると、騰落レシオの値は100%を割り込みます。

騰落レシオの値が70%を下回ったら、市場全体は底値圈にあると言われ、買いのタイミングになります。これに対して、騰落レシオの値が120%を上回ったら、市場全体が天井圈にあると言われ、売りのタイミングになります。

また、市場全体が底を打つ前に騰落レシオが底を打ったり、市場全体が天井を打つ前に騰落レシオが天井を打ったりすることもあります。つまり、騰落レシオは市場全体に先行して動くこともあるのです。


次の図は、2004年1月から2005年1月の日経平均株価のチャート(終値の祈れ線グラフ)と騰落レシオの動きを比較してみたものです。
p98.jpgこの期間で見てみると、騰落レシオが70%近くまで下がったときには、日経平均株価も短期的な底をつけている傾向が見えます。したがって、「騰落レシオが70%近くまで下がったら買い」というのは、有効な戦略になると言えます。

これに対して、日経平均株価の天井と騰落レシオの天井は若干ずれが見受けられ、騰落レシオが日経平均株価に先行している傾向が見えます。騰落レシオが天井を打って下がりだしたら、しばらく様子を見てから売るのが良さそうです。

なお、「ETF」という商品を紹介しましたが、ETFの中には日経平均株価に連動するものがあります。そこで、ETFの売買タイミングを判断する際に、騰落レシオを使うのも1つの方法です。

●騰落レシオと日経平均株価が連動しないときもある
先に取り上げた例では、日経平均株価と騰落レシオが比較的連動して動いていました。しかし、常に連動するわけではなく、かなり違う動きをすることもあります。特に、一部の銘柄群に人気が集中して、その他の銘柄が見向きもされなくなると、日経平均株価と騰落レシオの動きにズレが出ます。

例えば、かつてのネットバブルの頃には、IT関連の一部の企業に人気が集中して、それらの銘柄の株価はどんどん上がりました。しかし、それ以外の企業は見向きもされなくなり、株価が下がりました。

日経平均株価を構成する銘柄には、IT関連の大手企業(ソニーなど)も多数入っているので、ネットバブルの頃には日経平均株価は上昇しました。しかし、IT関連以外の企業は値下がりしていたので、騰落レシオは下落傾向になりました。

また、2003年4月に日経平均株価がバブル後最安値をつけた頃は、主力企業の株価は下落していましたが、それ以外の企業の中には株価が上がっているものもありました。そのため、騰落レシオはそれほど低くない状態になっていました。

このように、日経平均株価は騰落レシオとは必ずしも連動しません。言いかえると、個別銘柄は、日経平均株価とは違う動きをすることもあるということです。このことは頭に入れておきましょう。

騰落レシオを調べるには、マネックス・ビーンス証券の「マネックスメール」を読むと良いでしょう。マネックス・ビーンス証券に口座を持っていなくても、無料で読むことができます。


>> 元メリルリンチ証券No.1トレーダーの教材が無料 



 
  価格キャッシュバック