株取引の方法を解説!


株価チャートのローソク足の見方と意味や売買判断

株価チャートには四角がたくさん並んでいますが、これは「ローソク足」と呼ばれるものです。ローソク足はテクニカル分析の基本なので、確実にマスターしましょう。

株価の動きを表す方法はいくつかありますが、「ローソク足」は特にポピュラーなものです。これは実は日本で編み出された表現方法なのですが、現在では外国でも使われるようになっています。

ローソク足は、四角と上下の棒を使って日々の四本値(始値/高値/安値/終値)を表し、株価の動きを視覚的に分かりやすくしたものです。1本1本のローソク足は、四角の部分と、その上下に伸びた線から成り立っています。その形がローソクに似ていることから「ローソク足」と呼ばれています。

p20.jpg四角の部分は、始値と終値を表して「実体」と呼びます。始値より終値の方が高い場合は、通常は白抜きの四角で表します。四角の下が始値、上が終値を表します。始値より終値の方が安い場合は、通常は黒く塗りつぶした四角で表します。四角の上が始値、下が終値を表します。

また、始値より終値の方が高い場合を「陽線」(ようせん)と呼びます。始値より終値の方が安い場合は「陰線」(いんせん)と呼びます。株価が上昇傾向なら、始値より終値が高く終わることが多くなるので、陽線の割合が高くなります。逆に、株価が下落傾向だと、陰線の割合が高くなります。

さらに、四角の上下に線が出ていることが多いのですが、これらの線は高値と安値を表すもので、上下それぞれを「上ヒゲ」「下ヒゲ」と呼びます。上ヒゲの上端が高値を表し、下ヒゲの下端が安値を表します。

例えば、一日の株価が次の図の左のグラフのように動いたとしましょう。この場合、始値より終値の方が高いので、陽線で表します。また、高値と安値をヒゲで表します。その結果は次の図の右のようになります。
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ローソク足は株価の動きによっていろいろな形を取りますが、大きく分けると次の表のような9種類に分類して呼ぶことがあります。なお、以下でローソクの足やヒゲが長いとか短いといった言い方をしますが、この長い短いは絶対的なものではなく、非常に感覚的な言い方であることをおぼえておきましょう。
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●小陽線と小陰線
「小陽線」(しょうようせん)と「小陰線」(しょういんせん)は、株価が小幅に動いたことを表します。小陽線は寄り付きから若干の値上がりで、小陰線は若干の値下がりです。株価は日々動くので、小陽線や小陰線は株価チャートのあちこちに出てきます。

●大陽線と大陰線
「大陽線」(だいようせん)と「大陰線」(だいいんせん)は、株価が大幅に動いたことを意味します。大陽線は大きな値上がりで、大陰線は大きな値下がりです。「いくら値上がり(値下がり)したら大陽線(大陰線)になる」というような明確な決まりはなく、普段と比べて値動きの幅が大きいときを大陽線/大陰線と呼びます。

株価が大きく動くことはそう多くはないので、大陽線や大陰線が出る機会はまれです。ただし、何か大きなニュースが出たりしたときには、株価が急激に動きやすいので、大陽線や大陰線が出ることがあります。また、株価が長期間にわたって下落したあとで、大陽線が出た場合、それがきっかけになって株価が上がり始めることもあります。逆に、株価が上昇を続けたあとで大陰線が出たら、それが値下がりのきっかけになることもあります。

特に、ヒゲがない大陽線/大陰線(つまり始値と終値が、それぞれ高値もしくは安値である場合)は、それぞれ「陽の丸坊主」「陰の丸坊主」と呼びます。これらの形は、株価が一方向に大きく動いた時に出ますが、それが株価の動きの転換点になることが多くあります。

このように、大陽線/大陰線は株価の行く末を判断する上で重要なポイントになります。

●上影陽線と上影陰線
「上影陽線」(うわかげようせん)と「上影陰線」(うわかげいんせん)は、株価が上がったものの、売りが出始めて株価が下がり、もとの株価付近まで戻ったことを意味します。

p23.jpg株価がしばらく上昇したあとで、このようなローソク足が出た場合は「そろそろ株価上昇が終わるだろう」と思って売った人が多いことを意味するので、株価はこれ以上、上がりにくくなっていると言えます。したがって、上影陽線や上影陰線が出たときには、新たにその銘柄を買うことは避けるべきです。また、その銘柄を持っているなら、売って利益を確定しておく方が無難です。

また、実体部分に比べて上ヒゲがかなり長い上影陽線(陰線)は、大工道具のトンカチに形が似ていることから、そのものずばり「トンカチ」と呼びます。 トンカチが出た場合は、株価が大きく上がったものの、一気に売りが入って押し戻されたことを意味します。そのような銘柄は買わないようにするべきです。ただし、値下がりが短期間で終わり、そのあとに再度株価が上がりだすこともあります。

●下影陽線と下影陰線
上影陽線/上影陰線とちょうど逆の形として「下影陽線」(したかげようせん)と「下影陰線」(したかげいんせん)があります。株価が下がったあと、買いが入って株価がもとの近くまで戻ってくると、下影陽線や下影陰線になります。

p24.jpg株価の下落がしばらく続いたあとでこれらの形が出た場合、「そろそろ株価が底を打っただろう」と判断して買った人が多くいることを意味します。したがって、株価はそれ以上下がりにくくなります。このような状況が見えたら、その銘柄を買いの候補に入れると良いでしょう。

特に、実体部分に比べて下ヒゲが非常に長い下影陽線(陰線)は「カラカサ」と呼びます。カラカサが出たときには、株価が大きく下がったあとで、かなりの買いが入って、もとの株価近くまで戻ったことになります。そのような銘柄は買いの候補になります。

p25.jpgただし、値下がりが続く中で、一時的に株価が反発しただけという場合もあるので、注意が必要です。

●寄引同事線
始値と終値がほぼ等しくなることもあります。それをローソク足で表すと、実体部分は高さがほとんどなくなり、横一本の線のようになります。このような形のことを「寄引同事線」(よりひけどうじせん)と呼びます。
p26.jpg寄引同事線の中で、上下のヒゲが短いものは、小陽線/小陰線と同様に、さほど気にする必要はありません。しかし、上下どちらかのヒゲが非常に長い場合は、上影陽線(陰線)や下影陽線(陰線)と同様に、株価の動きが変わる前触れであることが多くあります。


それでは、実際の株価チャートを例に、ローソク足を解説しますので見てみることにしましょう。例として、ソニーの週足(しゅうあし)チャートを使います。
p27.jpgチャートの中に①~⑥の番号を入れてありますが、これらは代表的なローソク足の形を取り上げたものです。

①は小陽線で、②が小陰線です。株価チャートを見てみると、このような小陽線/小陽線が頻繁に出ていることが分かります。

③は大陽線の例です。他の陽線に比べて長さがあるので、大陽線としました。この大陽線は、株価が中期的な天井を打った場面で出ています。株価が天井を打つときには、大きな上昇があってそのあとに大きな下落になるというパターンがよくあり、そのようなときには大陽線と大陰線が並んで出たりします。

④は大陰線の例です。その頃、ソニーは業績を下方修正して、そのショックで株価が急激に下がり、図のような大陰線になりました。ただし、株価の下落はそこで終わり、そのあとは株価は徐々に戻っています。

⑤は上影陽線と上影陰線の例です。上影陽線のあとに上影陰線が続いていて、上影陽線は実体に比べて上ヒゲがかなり長くなっています。このような上影の線が3週続いて出たことは、これ以上株価が上がりにくくなっていることを意味しています。実際、そのあと2か月ほどは株価は伸び悩んでいます。

最後の⑥は、下影陽線の例です。それまで株価が下がってきていて、そのあとに下影陽線が出ているので、底を意識した買いが入っていると判断することができます。実際、そのあと2週間ほどは株価が持ち直しています。ただし、思ったほど買いが伸びず、そのあとは再度株価が下落しています。


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